ニホンザリガニの生息環境の一例です。わずかに水が浸み出す斜面に横穴を掘っています。奥から運び出した砂ダンゴの堆積が見えます。水脈を読んで、巣穴の奥から湧き水が浸み出しているのでしょう。
見えている水は少量ですが、1日の流量を考えると50リットル100リットルの大きな水槽の「毎日全換水」にも相当します。
一辺30㎝のコンクリート敷石です。厚みは5㎝ほど。画面には水は見えていませんが敷石をめくると水が有り、画面の奥から手前に向けてのわずかな水流になっています。敷石の下にトンネルを掘り、運び出した砂ダンゴが見えています。
生息数は、画面の範囲で3~5㎝程度の個体が数匹といったところでしょうか。
凝灰岩の崖下で、少量の湧水が通年涸れることはありません。弱アルカリ、年間の水温は3~17℃程度。下流側は小さな流れになって、ミミズ、ヨコエビ、カワゲラ、ガガンボの幼虫などが見られます。地中から湧き出してまもない水・ヴァージンウォーターの小さな生態系の中では、硬い殻と大きなハサミを持つニホンザリガニは頂点に君臨します。
法面や敷石下といった人間の工作地に進出している数少ない事例です。
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